聖書の歴史 C-3 聖書の歴史 目次 

《 エラスムスが退けた「異なる読み方」

フロイド・N・ジョーンズ博士

● エラスムスが退けた「異なる読み方」
 しばしば聞かれる主張があります。「新たに発見された材料の多くは、エラスムスおよびその後の宗教改革者たちが用いた材料より古いのだから、より信頼できるものである」というものです。
 この点について、読者は、偉大な使徒パウロが、彼の時代にみことばの腐敗があると証言したことを思い出すはずです。
 したがって、必ずしも「最も古いもの」が「最も良い」というわけではありません。
 また、エラスムスは、ローマ教皇の図書館員であったパウルス・ボンバシウス教授といつも手紙のやりとりをしていました。
 彼は、エラスムスが求めたどんな写本の読み方でも、彼に送りました。注1
 事実、1533年、エラスムスが手紙のやりとりをしていたジュアン・セプルベーダという名のカトリックの司祭は、ギリシャ語のTRよりバチカン写本のほうが優れていることの証拠として、バチカン写本から選び出した365の読み方をエラスムスに送りました。注2
 ところが、エラスムスはそのバチカン写本の『読み方』を退けました
バチカン写本

 なぜなら、当時のたくさんの証拠から、彼はギリシャ語のTRのデータが正しいものであると考えたからです。
新約TR本文
 このように、エラスムスは、『キング・ジェームズ版聖書』が登場するより百年近くも前にバチカン写本のことを知っていたのです


本物とみなしたグループ

    
  
   
《 エラスムスの接した
 数百もの写本 》


偽物とみなしたグループ

《オリゲネス》
オリゲネス
オリゲネス聖書
《オリゲネス自作の旧新約聖書》(三世紀)
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エウセビウスの「50冊の聖書」(331年)
『ベラム皮紙』『エウセビウス-オリゲネス版』聖書
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ヒエロニムス作成の「ラテン語ウルガタ聖書」
「バチカン写本」
バチカン写本
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注1)Samuel Prideaux Tregelles,"An Account of the Printed Text of the Greek New Testament with Remarks on Its Revision-",p.22
注2)M.R.Vincent,"A History of the Textual Criticism of the New Testament",p.53
F.H.A.Scrivener,"A Plain Introduction to the Criticism of the New Testament",Vol.1,p.109


《出典 : Floyd Nolen Jones,"Which Version Is The Bible?"[2006年] 》  

さらに深い理解のために(英語)
フロイド・ノレン・ジョーンズ博士の著書
→ "Which Version Is The Bible?"(2010年版) p.82~,p.49~,p.119~[PDF]




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