異端要素で満ちた本文と日本語旧約聖書
■まとめ
ビブリア・ヘブライカの中身を、もう一度おさらいしてみましょう。
その【諸資料】の中身はビブリア・ヘブライカ(1937年版)の見出しページに記されており、マソラ本文以外の資料は次の通りでした。
- オリゲネスによるヘブル語本文
- アキラ訳ギリシャ語旧約聖書
- シマカス訳ギリシャ語旧約聖書
- テオドシウス訳ギリシャ語旧約聖書
- ラテン語ウルガタ本文
- バチカン写本・シナイ写本
- 七十人訳ギリシャ語本文
- タルグム(アラム語訳などの翻訳文書)等…タルグム『偽ヨナタン』、サマリヤ五書、東洋の資料・西洋の資料…
- 死海文書(1947年〜)
- モルモン教(2009年〜)
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この【諸資料】の中身をさらに調べてまとめると、こうなりました。
- オリゲネス…聖書改ざん者。『異端者たちを受容した異端者』
- アキラ…オリゲネスの『ヘクサプラ』にある。占星術、降霊術、ジュピター神と関わり、「聖書をゆがめる邪悪な者」
- シマカス…オリゲネスの『ヘクサプラ』にある。異端エビオン派、イエス・キリストの神性を否定
- テオドシウス…オリゲネスの『ヘクサプラ』にある。聖書に外典を含める。異端グノーシス派
- ラテン語ウルガタ本文 …オリゲネスの本文に由来。異端エビオン派の訳を用いた。
- バチカン写本・シナイ写本…オリゲネスに由来。外典を含む。『改ざんされた聖書本文』
- 七十人訳ギリシャ語本文…オリゲネスの『ヘクサプラ』にある。外典を含む。人為的加工と矛盾がある。
- サマリヤ五書…『七十人訳聖書』(オリゲネスの『ヘクサプラ』にある)に非常に近いもの
- 東洋の資料・西洋の資料
- 死海文書(1947年〜)…レビ族に属していない異端エッセネ派によるもの
- モルモン教(2009年〜)
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この中身に含まれるおもなキーワードは、異端、聖書改ざん、オリゲネスです!
こうして、マソラ本文以外のビブリア・ヘブライカの『諸資料』の中身は、
「異端者・異教徒らの文書、西洋・東洋の諸文書、改ざん聖書本文等」であるとともに、
オリゲネスと関わる文書がひんぱんに見られることがわかります!
ビブリア・ヘブライカの第一の源泉、第一のパートナーがオリゲネスであり、ビブリア・ヘブライカの中心に、オリゲネスがいるのです。
- オリゲネス自身が、『異端者たちを受容した異端者』であり、
- 彼の作った『ヘクサプラ』も、異端の要素が満ちた『旧約聖書』でした。
同様に、
- ルドルフ・キッテルも、『異端者たちを受容した異端者』であり、
- 彼の作った『ビブリア・ヘブライカ』も、異端の要素が満ち満ちた『旧約聖書本文』なのです!
これほど多くの異端文書が一つに納められた文書が、他にあるでしょうか?
驚くべきことに、これほど『異端』で満ち満ちたビブリア・ヘブライカが、神聖なものであるべき『旧約聖書本文』として使われてきたのです!
ビブリア・ヘブライカの中身を図示すると、次の通りです。
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■オリゲネスとキッテルの共通点
オリゲネスとキッテルには共通点がいくつかあります。(《オリゲネスとは?》およびS4-1
参照)
- 二人とも、「新しく生まれ変わったクリスチャン」ではありませんでした。
オリゲネスは、ギリシャ哲学の追従者でした。
キッテルは、「古代ギリシャの諸宗教を熱心に信じる者」でした!(『ユダヤ百科事典』 Encyclopaedia Judaica)
- 二人とも、イエス・キリストを信じていませんでした。
- オリゲネスは、「イエスは一人の被造物にすぎない」と信じていました。
- キッテルは、イエス・キリストの教えを否定しました。
- 二人とも、聖書を信じていませんでした。
- オリゲネスは、「聖書は、文字通りに解釈するものではない」と信じていました。
イエス様の言われたことを正すことさえしました。
- キッテルは、旧約聖書の霊感を否定し、新約聖書も旧約聖書も否定しました。
- 二人とも、異端者たちの著作を使って自分の著作を作り出しました。
- オリゲネスは、異端者たちであるアキラ、シマカス、テオドシウスらの聖書を『ヘクサプラ』に取り込みました。
- キッテルは、オリゲネス、アキラ、シマカス、テオドシウスを初め、「異端者・異教徒らの文書、西洋・東洋の諸文書、改ざん聖書本文等」を使って『ビブリア・ヘブライカ』を作り出しました。
- 二人とも、異端の教えを利用した異端者でした。
- オリゲネスは、『異端者たちを受容した異端者』でした!
- キッテルも、『異端者たちを受容した異端者』でした!
- 二人とも、自分の考え・推測で神のことばを変えました。
- オリゲネスは、マタイ13・38にある「種を蒔く人」のたとえの箇所で、イエス様が、「畑とは、この世です」と言っておられるのに、「畑とはイエスであった」と言いました。その後、彼は考えを変えて、畑を「聖書のことだ」としました
- キッテルは、「たぶん、こう変えて読むべし」「おそらく、こう付加すべし」「たぶん、削除すべし」…と「自分の推測」でヘブル語本文を改ざんしました。
- 二人とも、聖書改ざん者でした。
- オリゲネスは、どこでもギリシャ語の新約聖書を見つけると、それを自分の教理にぴったり合うように改ざんしました!
彼は、自分はそれらの写本を「修正」しているだけだと考えていました。
- キッテルは、「異端者・異教徒らの文書、西洋・東洋の諸文書、改ざん聖書本文等」を使い、自分の推測も使った旧約聖書改ざん者でした。
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■編集者たちの"拠り所"
キッテルらドイツ人合理主義者たちは、ビブリア・ヘブライカを編纂する際、イエス・キリストの父なる神に祈りつつ、聖霊の導きを求めつつ、聖書本文を決定する作業を進めたでしょうか?
イエス・キリストを受け入れず、聖書もそのまま信じない彼らがそうしたとは、全く考えられません。
そうではなく、彼らはオリゲネスの教えや「異端者・異教徒らの文書、西洋・東洋の諸文書、改ざん聖書本文等」を調べ、そして自分たちの推測を基に、その作業を進めたのです!
キッテルらの相談相手は、聖霊ではなく、オリゲネスや異端者たちだったのです!
聖書の翻訳者たちが、ビブリア・ヘブライカの《ヘブル語本文》を見、欄外にあるその《注釈》を読み、そこに書かれている『示唆』あるいは『指示』にしたがって翻訳作業を進める時、どういうことが起きるのでしょうか?
その注釈に書かれているのは、実際は、
【編集者たちの推測】は、キッテルら自身の思想や信念を反映するものとなるはずです。
【諸資料】とは、「オリゲネスを初めとする異端者・異教徒らの文書、西洋・東洋の諸文書、改ざん聖書本文等」でした。
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「ビブリア・ヘブライカ」に基づいて翻訳作業を行う聖書の翻訳者たちは、これらのものを"拠り所"として「神のことば」を翻訳しています。
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ビブリア・ヘブライカとそれに基づく日本語旧約聖書の流れを図示すると、こうなります。 |
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