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● ギリシャ語TRの数々の版 その後、ステファヌスがいくつかの版によって、エラスムスのギリシャ語新約聖書の本文を最新版にしました。 その頂点となるものが、1550年発行の彼の第三版です。 英語圏の学者たちから広く好まれているのは、このギリシャ語本文(Textus Receptus)です。 ステファヌスのギリシャ語本文とエラスムスの最後の版とのちがいは、ほとんどわからないくらいであり、実用としては、エラスムスの本文もステファヌスの本文も同じです。 1598年、ベザが、エラスムスのギリシャ語本文を土台として用いて彼の第五版を発行しました。 キング・ジェームズ版聖書は、おもにベザの第五版の本文に基づいています。 ベザの第五版も、エラスムスの最後の版とほぼ同じ読み方をしています。
1624年、オランダのエルセビル兄弟が一つの版を発行しました。 その時、その本文は、Textus Receptus(『Received Text』すなわち、『神から受け入れられた本文』を意味します)という名称を与えられました。 彼らは、自分たちはその写本を少しも改ざんしてはいないことを宣言し、自分たちの手中にあるその本文こそ神からじかに受け取ったものであるとみなしたのです。 1633年のエルセビルの第二版も、ヨーロッパ大陸においてTextus Receptusとして広く採用されました。 これらの人々はみな、神がお与えになった、全く誤りのない神のことばを自分が扱っていると信じていました。 1550年から1624年までの間に、これらの数々の版の本文は、どのくらいちがいがあるのでしょうか? たとえば、エルセビルの版は、ステファヌスの版と、マルコの福音書で19のちがいがあるだけです。 事実、ステファヌスの1550年版の本文は、1624年のエルセビル兄弟の本文と、全部で287のちがいがあるだけです。 これらの少数のちがいは、すべて「つづり字」のちがいであるため、ほとんど無視してよいものです。 「colour」と「color」のどちらの字をつづるかという問題なのです。 |
● 神に守られてきたギリシャ語本文 こうして、このギリシャ語新約聖書の本文は神によって守られてきたのです。 新約聖書の本文を神が保存してこられたということは、何らかの奇跡によることではなく、摂理的なことでした。 『一番最初の聖書本文』は、神の息吹を受け、神の霊感を受けていましたが、それと全く同じ意味で、この本文が神の息吹を受け、神の霊感を受けていたわけではありません。 そうではなく、このギリシャ語本文は、神によって導かれ、神によって保持されてきたのです。 エラスムスが調べることが可能であり、また実際に調べた写本は、何百もありました。 しかし、彼は少数の写本だけを用いました。 それは問題ではありません。 なぜなら、大量にあるギリシャ語本文も、実質的にはTRであるからです。
エラスムスが用いた本文がその典型的なものであったなら、彼は、その大多数の写本が述べていることを記したことになります。 事実、エラスムスが用いた写本が、写本の全体と違っていた点は、取るに足りない細部だけでした。 基本的に、キング・ジェームズ版聖書の土台となっているのはエラスムスの本文なのです。 私たちは、「thou」(なんじは)、「thine」(なんじのもの)、「thee」(なんじに)という語が、神が全く誤りなく息を吹き込まれた語であると言っているのではありません。 数々の写本を作った書記者たちや印刷者たちは、モーセやイザヤやパウロやヨハネのように「霊感を受けた」わけではなく、彼らは神に導かれたのです。 ですから、「神はご自分のことばを保持される」という神の約束への信仰によって、私たちは、ギリシャ語のTRこそ、神が導かれた本文であるとわかるのです。 神は摂理により、この本文を見守ってこられたのです。
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《出典 : Floyd Nolen Jones,"Which Version Is The Bible?"[2006年] 》
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■さらに深い理解のために(英語)… フロイド・ノレン・ジョーンズ博士の著書 → "Which Version Is The Bible?"(2010年版) p.65~[PDF] テクストゥス・レセプトゥスについて → Textus Receptus TRについて( G. W. and D. E. Anderson ) → The Received Text:A Brief Look at the Textus Receptus 聖書の版/Textus Receptusについて → Bible Versions(目次) → ステファヌスによるTR本文 → ステファヌスによるTR本文online → ベザによるTR本文 |
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●歴史CX 《神の摂理とTR》
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