聖書の歴史 D-12 聖書の歴史 目次 

《 オリゲネスの改ざん聖書ウルガタ聖書 》

フロイド・N・ジョーンズ博士


● オリゲネスの改ざん聖書から生まれたウルガタ聖書

《オリゲネス》
オリゲネス
オリゲネス作成の「改ざんギリシャ語新約聖書」
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エウセビウスの50冊の「改ざん聖書」(331年)
バチカン写本・シナイ写本
                     
                     
■ヒエロニムス作成の
「ラテン語ウルガタ聖書」(405年)
(ローマ・カトリックの聖書)
 ベツレヘムの隠遁修道士であったヒエロニムスは、ローマ教皇ダマススから、ラテン語聖書を全面的に改定するよう依頼されました。
 384年ごろ、ヒエロニムスは福音書を完了させました。
 386年ごろ、彼はローマの教会の卜占官たちの下でエルサレムに来て、古ラテン語聖書を最新版にする作業を始めました。
 この作業のための基準として、ヒエロニムスは何を用いたでしょうか?
 ヒエロニムスは旧約聖書の土台を、おもにオリゲネス「ヘクサプラ」にあるヘブル語本文に置き、本文を「修正する」ために、ほかのいくつかの欄(彼の第五欄 オリゲネス自作旧約聖書[ギリシャ語。外典付]、およびエビオン派(異端)の人々によるギリシャ語訳)を用いました。

 彼は新約聖書の改ざんを完成させるために、オリゲネス編纂の新約聖書を大いに拠り所としました。
 その全作業が完了したのは405年でした。

 ヒエロニムスのラテン語ウルガタ聖書は、長年にわたりローマ教会から中傷されていました。
 ところが、1546年のトレント会議で、その公式「聖書」として受け入れられ、それは今日もなお使われているのです。

● 学者ヘルビディウスが非難したヒエロニムスの行い

 ヒエロニムスが用いた材料(オリゲネスのヘクサプラ、および、彼の編纂した新約聖書)も、ほぼ一語一語が、シナイ写本およびバチカン写本と同じものでした。
 そして、ヒエロニムスと同時代の学者であるヘルビディウス注1)は、
ヒエロニムスは、改ざんされたギリシャ語写本を使っている非難しました。

ヒエロニムスは、「学者たち」が持っているもので、ふつうの人々が用いている聖書より「はるかに優れている」『ベラム皮紙の巻物』(すなわち、エウセビウス作成の聖書)のことを誇りました。
ピーター・ラックマン博士  Peter S.Ruckman,
"The Christian's Handbook of Manuscript Evidence"p.78
 

 思い起こしてください。ヒエロニムスはオリゲネスの著作オリゲネス自作旧新約聖書)を使い、それから「ラテン語ウルガタ聖書」(405年)を作り出したのです(図参照)。

 同様に、シナイ写本バチカン写本、それらのルーツオリゲネスにあります(図参照)。

 こうして、ヘルビディウスはそれらすべてを厳しく非難したのです。
 というのも、彼の時代でも、その「源泉」のギリシャ語本文が腐敗したものであることは知られていたからです。
バチカン写本
シナイ写本
 さらに、バチカン写本をコピーした人がだれであっても、その人は自分が手にしているのが神のことばであるとは信じていなかったはずです。
 なぜなら、スペルのまちがい、文法のまちがい、数多くの省略、文章全体が丸ごと再コピーされた箇所、省かれた文章や語句などがあるからです。

 シナイ写本とバチカン写本は「親しい兄弟」です。
 それらが互いに異なる箇所が多くあっても、それらは「同じタイプの本文」であり、オリゲネスのヘクサプラの第五欄と彼の「新約聖書」を使っているのです。
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注1)"Post-Nicene Fathers",Vol.6,p.338

《出典 : Floyd Nolen Jones,"Which Version Is The Bible?"[2006年] 》  

さらに深い理解のために(英語)
フロイド・ノレン・ジョーンズ博士の著書
→ "Which Version Is The Bible?"(2010年版) p.105~[PDF]

ラテン語ウルガタ聖書について(C.P. Hallihan)
The Latin Vulgate(pdf)




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