新約聖書本文TRの訳例 |
《ギリシャ語》
TRなど大多数の写本、および、バチカン写本・パピルス写本(P66とP75)等のごく少数の写本の読み方
「ウーポ」(まだ…しない)
《訳例》
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「私は、まだこの祭りには上って行きません」(TR日本語訳 新約聖書)
- 「我は未だ此の節会に上らじ」(新契約聖書)
- 「I go not up yet unto this feast」(KJ版聖書)
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UBS版ギリシャ語本文ほか、
ごく少数の写本の読み方と訳例
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《ギリシャ語》
UBS版ギリシャ語本文・シナイ写本ほか、ごく少数の写本の読み方
「ウーク」(…しない)
★「まだ」が存在しない
《訳例》
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「わたしはこの祭には行かない」
- 「 I do not go up to this feast」(NAS)
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《問題点》
実際にイエス様はその祭りに上って行かれた(しかも、ご自分がそうしようとしておられることを自覚しておられた)ので、UBS版の本文は彼を偽り者としています。
《コメント》
UBS版の本文の編集者たちは、通常はパピルス写本(P75)やバチカン写本をこのうえなく高く評価しているのに、この事例ではこれらの写本を退けているのは、不思議ではないでしょうか?
メッツガーの言明は、こうです。(メッツガー → 聖書の歴史 E-2 「現代版聖書を編集するリベラル派の人々」参照)
「『まだ…しない』という読み方は、8節と10節の食い違い(矛盾)を緩和するために、早い時期[それはパピルス写本(P66とP75)で証言されている]に導入されたのだ」(p.216)
こうして彼らは、この事例では、パピルス写本(P66とP75)もバチカン写本も退けています。
NASV、RSV、NEB、TEVなどの聖書は、この非TR本文と同じ読み方をしています。
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