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紀元331年、コンスタンティヌス(ローマ帝国の皇帝)はエウセビウスに対し、50冊の聖書を用意するよう指示しました。彼がコンスタンチノープルに建設を予定していた新たな教会に、それらの聖書を置くためでした。エウセビウスはそれを実行しました(注1)
● オリゲネスの著作から作り出された50冊の「聖書」 問題は、エウセビウスがコンスタンティヌスのためにその50冊の聖書を用意する際、ガイドとして何を用いたかです。 エウセビウスは、「オリゲネスこそ最も偉大な人物」と考えていました。 彼はオリゲネスの書状を800通収集し、オリゲネスの『ヘクサプラ』を用いたと述べています。 こうして、エウセビウスは旧約聖書のためにオリゲネスの『ヘクサプラ』の第五欄(※)を選択したのです。(※ アイラ・M・プライス博士[古代言語・文献学教授]著『英語聖書の起源』) (注2) そして彼は、外典(アポクリファ。ヘブル語の正典に含まれていない数々の書。第一、第二エスドラス書、トビト書、ユデト書、エステル記続編、ソロモンの知恵書、ベルと竜、第一、第二マカベア書、バルク書など)を付け加え、さらに、オリゲネス編集の新約聖書を使って完成させました。
● 上等のベラム皮紙で作られた「聖書」 これらの写本は、『立派なベラム皮紙』(上等の皮紙)で、ローマ政府の印も記されて、コンスタンティンのために用意されました。 この『ベラム』(動物の皮)は、とても上等なものであり、皮紙二枚を作るだけのために一頭のカモシカが使われるほどでした。 このような事業のために十分な資金を持っていたのは王室だけであったはずです。 ……………………… (注1) 『聖書の写本の準備に関する、コンスタンティヌスからエウセビウスへの手紙』 “…I have thought it expedient to instruct your Prudence to order fifty copies of the sacred Scriptures(聖書の50冊の写本), the provision and use of which you know to be most needful for the instruction of the Church, to be written on prepared parchment in a legible manner, and in a convenient, portable form, by professional transcribers thoroughly practiced in their art. The catholicus of the diocese has also received instructions by letter from our Clemency to be careful to furnish all things necessary for the preparation of such copies(それらの写本の準備のために必要などんなものも与える)…」 (注2)Ira M.Price,"The Ancestry of our English Bible",p.70 |
《出典 : Floyd Nolen Jones,"Which Version Is The Bible?"[2006年] 》
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■さらに深い理解のために(英語)… フロイド・ノレン・ジョーンズ博士の著書 → "Which Version Is The Bible?"(2010年版) p.103~[PDF] |
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●歴史P 聖書の改ざんの起源 1 新約聖書が前もって警告していたこと 2 第一世紀から始まっていた聖書の改ざん 3 異端がはびこっていたエジプト 4 オリゲネスによる聖書の改ざん 5 オリゲネスの『ヘクサプラ』とは? 6 ローマ皇帝が選んだ『エウセビウス-オリゲネス版』聖書 7 エウセビウスが作った50冊の聖書 8 異端アリウス派のエウセビウス 9 50冊の聖書とコンスタンティヌス帝 10 ローマ・カトリックの公式聖書…ラテン語ウルガタ聖書 |
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聖書の歴史V 偽造写本から"ねつ造"された |
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