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日本語聖書の検証2

日本語聖書の『パートナーたち』


原文提供者翻訳聖書

 『聖書』と呼ばれるものは数多く存在しますが、最も重要なのは、「読みやすいかどうか」ということではなく、「どういう人々が翻訳しているか」ということでもなく、「どの底本(原本)を採用しているか」ということです。
 なぜなら、翻訳される聖書の最も重要な要素は、それより前の底本(原本)の段階で決定されるからです。
 この段階こそが、聖書の本質を決定的に左右します。
 ヘブル語やギリシャ語の原文の中身の決定権は、原文提供者にあるからです。

  1. 原文提供者…元となる原文(聖書本文)を決定し、提供する団体
  2. 翻訳聖書…提供された原文(聖書本文)から各国の言語に翻訳されて発行される聖書

 日本語聖書の原文提供者翻訳聖書について、見てみましょう。


《新改訳聖書》原文提供者翻訳聖書 新改訳聖書

 『聖書 新改訳2017』の「あとがき」に、こう記されています。
『聖書 新改訳2017』の翻訳改訂において、
  • 旧約はビブリア・ヘブライカの第4版(BHS)および第5版BHQ)、
  • 新約はネストレ-アーラントNA)の校訂本第28版
    ならびに聖書協会世界連盟UBS)第5版
に基づき訳業を進めた」
(『聖書 新改訳2017』  あとがき)
ビブリア・ヘブライカ

 この聖書の原文を提供しているのは、実質的に『聖書協会世界連盟』UBS)および『ドイツ聖書協会』です。
 (ネストレ-アーラント版本文は、実質的にUBS版本文と同じであり、編集者も同じです。R-8参照)
 したがって、こうなります。
  1. 原文提供者=『聖書協会世界連盟』UBS)および『ドイツ聖書協会』
  2. 翻訳聖書=『聖書 新改訳2017』

 現在、モルモン教の教職者ドナルド・W・パリーの関わった編集内容が、ビブリア・ヘブライカ第五版BHQ)を通して日本語聖書の聖書 新改訳2017聖書協会 共同訳に反映されています。(新たなパートナー:モルモン教 モルモン教も加わったビブリア・ヘブライカと聖書 モルモン教徒の聖書参照)
聖書 新改訳2017

ビブリア・ヘブライカ+モルモン教
パリー教授


《共同訳聖書》原文提供者翻訳聖書 共同訳聖書

 《共同訳聖書》(《新共同訳・口語訳・文語訳》も同様)の場合を見てみましょう。
 『聖書協会 共同訳』(2018年)に関して、こう記されています。
「底本として、
  • 旧約(BHQ [=ビブリア・ヘブライカの第5版] )・
  • 新約(UBS第5版)・
  • 旧約続編(外典)(ゲッティンゲン版)
など、最新の校訂本をできる限り使用する」
(『聖書 聖書協会共同訳について』
ビブリア・ヘブライカ

 カトリック教会向けの『旧約続編』(外典)を除くと、こうなります。
(つまり、外典以外の聖書本文が、カトリックの教理にも差し支えのない中身とされていることになります!!

  1. 原文提供者=『聖書協会世界連盟』UBS)および『ドイツ聖書協会』
  2. 翻訳聖書=『聖書協会 共同訳』 (新共同訳・口語訳・文語訳も同様)

 現在、モルモン教の教職者ドナルド・W・パリーの関わった編集内容が、ビブリア・ヘブライカ第五版BHQ)を通して日本語聖書の聖書 新改訳2017聖書協会 共同訳に反映されています。(新たなパートナー:モルモン教 モルモン教も加わったビブリア・ヘブライカと聖書 モルモン教徒の聖書参照)
聖書協会 共同訳

ビブリア・ヘブライカ+モルモン教
パリー教授


パートナー関係

 ここまでのことをまとめると、両者のパートナー関係はこうなります。

  1. 原文提供者=『聖書協会世界連盟』UBS)および『ドイツ聖書協会』
  2. 翻訳聖書=『聖書 新改訳2017』『聖書協会 共同訳』

 『聖書協会世界連盟』UBS)および『ドイツ聖書協会』が、原文(底本)であるビブリア・ヘブライカUBS聖書本文》の著作権あるいは版権を所有しています。
 こうして、これら二種類の日本語聖書は、上記の団体から原文(聖書本文)を提供され、それから日本語に翻訳されて発行されています。

《原文提供者》
『聖書協会世界連盟』UBS)・『ドイツ聖書協会』
ビブリア・ヘブライカUBS聖書本文》
ビブリア・ヘブライカ
:
パートナー関係
:
《翻訳聖書》



 次に、二種類の日本語聖書のパートナーである原文提供者が、どのような団体であるかを見てみましょう。

『聖書協会世界連盟』UBS)とは?

 UBSについては、次のことが知られています。(R-2参照)
  1. 設立当初からユニテリアン派の影響を大きく受けている。
     彼らは聖書の三位一体の神(父、御子、聖霊)を否定し、キリストの神性否定し、私たちの主が神であり人であられたこと激しく否定します。
     彼らはまた、聖書の無謬性否定し、キリストによる身代わりのあがないなども否定します。
  2. カトリック
  3. 要職に枢機卿が就任するなどローマ・カトリックとの関わりが深い。
  4. その人の私的な信条どういうものであれ』『教派や教理相違に関係なく』という姿勢をもってエキュメニカル運動を推し進めている。(S4-9参照)




UBSエキュメニカル運動

UBS総裁マイケル・ラムゼイとは?

 この『聖書協会世界連盟』UBS)の総裁であったマイケル・ラムゼイ(1904年〜1988年)は、イギリス国教会のカンタベリー大主教でもありました。
 彼は、WCC(世界教会協議会。『エキュメニカル運動』の推進団体)の委員の一人でもありました。
 彼はどういう思想・信念を持っていたでしょうか?
 彼はこう言いました。
マイケル・ラムゼイ 天国クリスチャンだけのための場所ではない。
 私は、そこで、現代の多くの無神論者たちと会うことを期待している


(『デイリー・メール誌』1961年2月10日 ロンドン)注1

 彼がこの『聖書協会世界連盟』UBS)のトップの地位に就いていました。
 1966年、マイケル・ラムゼイはイギリス国教会の聖職者たちとともにローマ教皇のもとを訪れ、教皇の指輪に口づけしました。注2
 翌年の1967年、マイケル・ラムゼイはアメリカを訪れ、ローマ教皇との会見に言及して、こう言いました。

教皇と私は、(バチカンの)あのサン・ピエトロ大聖堂で腕を組んで歩き、そこで、私たちは身をかがめ、教会を統一するという働きに献身することを表明した。
マイケル・ラムゼイ
マイケル・ラムゼイ
+ パウロ6世
パウロ6世
 我々がイギリス国教会カトリック教会だけを統一していこうという意味ではなく、すべてのキリスト教界および世界のすべての教会統一していこうという意味である。
 それらを統一するということの意味は、我々が数々の教派の間に外交上の承認を確立していくということだけではなく、我々がそれらすべての教会一つの教会へと統一させていくということである。
 それこそが、今日の私たちの前にある働きである。
 すなわち、キリスト教界すべて、聖なるカトリック教会へと統一することである」注3



『ドイツ聖書協会』とは?

 『ドイツ聖書協会』は、ビブリア・ヘブライカ等の版権を所有しています。
 それは、こういうものです。
    ビブリア・ヘブライカは、
  • 神聖で立派な旧約聖書本文ではありませんでした。
  • それはオリゲネスらの『異端』の教えで満ち満ちたものでした。(S4-4S4-5等参照)
  • それは【編集者たちの推測(キッテルら自身の思想や信念を反映するもの)と【諸資料】(「オリゲネスを初めとする異端者・異教徒の文書、西洋・東洋の諸文書、改ざん聖書本文等」)に忠実なものでした。
ドイツ聖書協会ビブリア・ヘブライカ構成

 これを作り出したルドルフ・キッテルは、こういう人物でした。
    ルドルフ・キッテルは、
  • 敬虔なクリスチャンではありませんでした。
  • 彼は熱烈な反ユダヤ主義者ユダヤ人排斥者)でした。
    (『ユダヤ百科事典』 Encyclopaedia Judaica)
  • 彼はユダヤ人を軽蔑しました。
  • 彼はキリスト教を拒絶しました。
  • 彼はイエス・キリストの教えを否定しました。
  • 彼は旧約聖書の霊感を否定しました。
  • 彼は新約聖書も旧約聖書も否定しました。
  • 彼は古代ギリシャの諸宗教を熱心に信じる者」でした!
  • 彼は異端者たちを受容した異端者でした。




 以上のことからわかるのは、二種類の日本語聖書の主要な『パートナー』が、『聖書協会世界連盟』UBS)・カトリック教会『ドイツ聖書協会』の三団体であること、そして各団体が、それぞれ独自の《思想・信念》を持っていることです。
 これらのことがらをまとめてみましょう。
『パートナー関係』を図示すると、こうなります。

《図1》二種類の日本語聖書のパートナーたち(〜2008年8月迄)
きずな1

日本語聖書新たなパートナー:モルモン教 モルモン教も加わったビブリア・ヘブライカと聖書 モルモン教徒の聖書

…………………………
注1The United Bible Societies and Rome(UBSとローマ)
注2) Don Stanton, Mystery Babylon, Secunderabad: Maranatha Revival Crusade, April 1981
注3) Ecumenicalism under the Spotlight, Challenge Press, pp. 22-23(M.L. Moser, Jr.氏による引用)



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