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ネストレ版/UBS版聖書本文とは?

【1】 【2】  【3】  【4】

【1】
ネストレ-アーラント版本文はどこから?
 ネストレ-アーラント版聖書本文について、ケン・マット博士は、こう述べています。

 「1898年、エバハルト・ネストレという人物が『ギリシャ語新約聖書』の第一版を創りました。
 それは、ティッシェンドルフ(シナイ写本発見者)の写本と、ホートおよびウェストコットの作った聖書本文WHと、ウェイマウスの本文から成り立っていました。

WH
+ティッシェンドルフ
シナイ写本発見者)の写本
+ウェイマウスの本文

(1901年、ネストレはウェイマウスの本文を、1894年のベルンハルト・ヴァイスの本文で置き換えました)
ケン・マット博士 R-7参照)


UBS版本文はどこから?
 次に、UBS版聖書本文について見てみましょう。
 UBS聖書本文の編集者ブルース・メッツガーはこう述べています。(R-4

 「UBSギリシャ語新約聖書を作成した国際委員会は、ウェストコットとホートの聖書本文(WH)をその土台の本文として採用しただけでなく、彼らの方法論にも従った…」

WH

 このように、UBS版聖書本文は聖書本文WHに由来していることがわかります。




【2】ページの上へ↑
● 統一された同じ本文
 現在、ネストレ-アーラント版聖書本文もUBS版聖書本文も同じ本文です。(R-2  R-7  R-8 参照)

「『ネストレ-アーラント版聖書本文』第27版(2006年発行)…それは、『UBS版聖書本文』(聖書協会世界連盟 United Bible Societies)第4版と同じ本文です。
 これらは、ESV, NIV, NASB, HCSV聖書、 および、 新たなカトリックの聖書などが土台としている『読み方』および本文です」


=




ネストレ-アーラント版聖書本文』には、こう書かれています。(R-7
 「1955年、K.アーラントは、M.ブラック、B.M.メッツガー、A.ウィグレンとともに(その後はC.M.マルティニも加わって)、『ギリシャ語新約聖書』を作成するための編集委員会に参加するよう招かれた。それは、数々の選択された箇所に関する研究資料付きのギリシャ語本文であり、世界の聖書翻訳者たちが利用するために意図されたものである(第一版:1966年、第二版:1968年)。
 『ネストレ-アーラント版聖書本文』および『UBS版聖書本文』の二つの版の作業は、しばらくの期間、平行して行われた。
 その結果、『ネストレ-アーラント版聖書本文』第26版(1979年)と、『UBS版聖書本文』第3版(1975年)は、土台となる同じ本文を共用した。
 この二つの聖書本文によって共用された本文は、世界各国の聖書協会によって採用された。
 そして、バチカン(ローマ教皇庁)と聖書協会世界連盟(UBS)との間での協定に従って、この本文は、彼らの監督の下で作成される新たな翻訳聖書および改訂版の土台として用いられている。
 このことは、異なる宗派間での関係に関して、意義深い一歩である」

ネストレ-アーラント版聖書本文』第27版(2006年),p.45 


 以上のことから、これらの聖書が、おおむね、『ウェストコットとホートの聖書本文(WH)』に由来していることがわかります。



【3】ページの上へ↑
● 聖書本文の編集者たちとは?
 また、これらの本文を編集したのは、K.アーラント、M.ブラック、B.M.メッツガー、A.ウィグレン、およびC.M.マルティニでした。
 彼らは、こういう人物でした。(R-4

《聖書本文の編集者たち》trbible trbible
ブルース・メッツガー
    メッツガー
    メッツガー
  • 彼は、モーセが五書を書いたのではないと信じていました。
  • 彼は、旧約聖書は、「神話と伝説と歴史」の混合物であると信じていました。
  • 彼は、ノアの時代の世界規模の洪水記録は誇張されたものだと信じていました。
  • 彼は、『ヨブ記』は民話であると信じていました。
  • 彼は、エリヤやエリシャの奇跡の記述には、「伝説的な要素」が含まれていると信じていました。
  • 彼は、ヨナ書の記述は『伝説』だと信じていました。
  • 彼は、『ダニエル書』には奇跡的な預言は含まれていないと信じていました。
  • 彼は、『牧会書簡』はパウロが書いたのではないと信じていました。
  • 彼は、『ペテロの第二の手紙』はペテロが書いたのでではないと信じていました。
  • 以上のことはすべて、『Reader's Digest Condensed Bible』の脚注で見出すことができます。これはメッツガーが編集した聖書です。また、『New Oxford Annotated Bible』(メッツガーが共編者)の中でも見出すことができます。
  • 彼は、外典を含み、エキュメニカルでリベラルな聖書『NRSV』の編纂者でした。彼はそれをローマ法王に贈呈しました。
  • 彼は、『ヘルマスの牧者』『クレメントの手紙』などの外典を霊感されたものとみなしました。
  • 彼は、不可知論者(神の存在は知り得ないとする)エールマンとの共著者でした。(R-4
クルト・アーラント
    アーラント
    アーラント
  • 彼は、聖書の逐語霊感否定しました。
  • 彼は、エキュメニカルな新たな正典聖書(カトリックの数々の外典を含むことになるもの)を受け入れることにより、キリスト教のすべての教派が一つの『体』に統合されることを望みました。(クルト・アーラント著『新約聖書正典の問題』pp. 6,7,30-33)
  • 彼は、リベラル派であり、聖書の各書の正典性を疑いました。
  • 彼は、聖書を神のことばとは信じませんでした。
マシュー・ブラック
  • 彼は、『Peake's Commentary on the Bible』の共同編集者(1982年)でした。この書物は、キリスト教の根本教理大胆に反対する書であり、編集者たちは聖書の無謬の霊感も、摂理的保持の教え否定しています。
カルロ・マルティニ
    マルティニ
    マルティニ
  • 彼は、進化論ほか、カトリック独自の数々の教義を推し進めるカトリックの枢機卿であり、イエズス会の会士でした。
  • 彼は、『ニューエイジ、一つの世界宗教』を推進させるべく世界中から100人を越える宗教指導者たちから成る統合会議を招集しました。
  • 彼は、すべての教団および宗教カトリック的統合へ導こうとするエキュメニカル運動および統合運動推進の急進派でした。





【4】ページの上へ↑
 つまり、これらの聖書本文編集者たちは、
  • 聖書の逐語・無謬の霊感否定し、神のことばと信じない
  • 不可知論者との共著者である】
  • 【キリスト教の根本教理に大胆に反対する
  • カトリック的統合に向けてエキュメニカル運動を推進する】人々であり、

彼らの思想・信念は、こうでした。
聖書は神話や伝説や誇張や民話を含む外典は霊感されている
聖書の逐語霊感を否定聖書の正典性を疑う
聖書の無謬の霊感を否定聖書を神のことばと信じない
聖書の摂理的保持の教えを否定進化論ほかカトリック独自の教義を推進

 このような人々から成る委員会での『話し合い』によって聖書の原文(底本。ネストレ-アーラント版/UBS版聖書本文)が編集されて作られ、その原文が翻訳されて世界各国の聖書が作られています。

この聖書本文が『何に由来しているか』を知ることは確かに重要ですが、 『どういう思想や信念を抱いた人々の手を経て作られてきたか』を知ることも重要です。なぜなら、彼らはそういう思想や信念を込めて、自分たちが好ましいと思うように手がけたはずであり、そうして出来上がった作品(聖書)は、必然的に彼らの思想や信念反映されたものとなっているからです。



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歴史R WH本文と英語聖書RV
1 1881年に登場したWH本文と英語聖書RV
2 聖書協会TBSUBS
3 ネストレ版/UBS版聖書本文とは?
4 聖書を編集するリベラル派の人々
5 ネストレ-アーラント版/UBS版聖書本文の検証
6 「ルシファー」という語が削除された聖書
7 ローマ・カトリックの監督下となった聖書
8 プロテスタントの聖書とカトリックの聖書


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クリスチャンへの警告 第20集 教理・教師への神の裁き体験
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