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■ステファヌスによる四版のTR 神がそのことを行われた媒介者の一人は、著名なフランス人の聖書印刷発行者であり学者であったロベルト・ステファヌス(1503年〜59年)でした。
これらの働きに対してローマ・カトリック教会が敵対し、それがあまりにも激しいものであったため、1550年、彼はパリを離れてジュネーブに移り住まねばならなくなりました。 そこで彼は、一人のプロテスタントの信仰者となりました。(注1) ステファヌスの第三版と第四版の本文は、エラスムスの第五版の本文とほぼ一致していました。 それは摂理的に任じられた(指定された)本文として、いたるところで受け入れられました。 ステファヌスが収集していた相違する読み方をどれも採用しないように彼を抑制したのが、この『共通の信仰』の影響であったことには、全く疑いの余地がありません。(注2) |
■ベザによる十版のTR セオドール・ベザ(1519年〜1605年)は、彼の十の版のTRで有名な人でした。
彼は新約聖書のラテン語訳でも有名です。 それは1556年に初めて発行され、百回以上再版されました。 ベザの本文には、ステファヌスの第四版と異なるものはめったになく、レウス(1872年)によれば、わずか38ヶ所だけです。(注3) これは、『共通の信仰』がベザの思いをしっかり捕らえていたことを示す注目すべき事実です。 ちょうどエラスムスの場合と同様に、ベザの場合も、彼の思いの中には、新約聖書を他のどんな本とも同じように扱おうとするヒューマニズム的な傾向と、現在ある新約聖書本文に対する『共通の信仰』との対立があったようです。 しかし、神の摂理の中で、すべてが順調に行きました。 神はベザのヒューマニズムを抑制し、本当の新約聖書本文をあまねく発行するよう導くべく、この『共通の信仰』を摂理的にお用いになったのです。 |
■エルゼビル版のTR…『共通の信仰』の勝利 エルゼビル家はドイツ人の印刷業の家族でした。 彼らの内で最も有名になったのは、ボナベンチャー・エルゼビルで、彼は兄弟のマシューらとともに、1608年、彼自身の印刷所を設立しました。 1624年、彼は彼の最初の版の新約聖書(TR)を発行し、1633年に彼の第二版を発行しました。 彼の本文はベザの版に従ったものでしたが、エラスムスの版、コンプルテンシアン聖書、およびラテン語ウルガタ聖書からの読み方も含むものでした。 その第二版の序文の中に、『Textus Receptus』という語句が初めて表されました。
この言明は、一人の印刷者の自慢か『宣伝文句』にすぎないものとして、しばしば攻撃されてきました。 そして、確かにいくらかはそうでした。 けれども、神の摂理の中で、それは真実の言明でもありました。 というのも、当時、すでに、この現在ある新約聖書本文に対する『共通の信仰』が、あのヒューマニズム的傾向(それは、エラスムスにだけでなく、ルター、ベザにもあったものです)に対して勝利を収めていたからです。 彼らの脚注やコメントの中で表されている数々の疑問点や懸念はすでに脇に置かれ、そして、神に導きによる彼らの本文だけが保持されていました。 このTRは、まさに、すべての人に受け入れられた本文でした。 イギリスでは、ステファヌスの第三版のTRが、ヨーロッパの大陸部ではエルゼビルの第二版のTRが、それぞれ広く支持されました。 …………………………………………… (注1)NSHE, Article, "Stephanus". (注2)Text and Canon of the New Testament, Souter - Williams, pp. 87-88. (注3)See Scrivener, Plain Introduction, vol. 2, p. 193, note 1. (注4)Article, "Elzevir", Encyclopedia Americana. |
《出典 : The King James Version Defended 第八章 エドワード・F・ヒルズ著》
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■神が認証されたTR-マソラ本文 神は、ご自分が聖書に記された通り、特別な摂理により、聖書本文を保持してこられました。 (旧約聖書の本文については『歴史D 旧約聖書の歴史』を参照) 新約聖書の本文が印刷された形としての本文(TR)となった後、神はすばらしいことを行ってくださいました。 それは、1994年2月19日に起きました。 (詳細は→ イエス様が認証された その日、神の御子イエス・キリストがこの地上を訪れてくださいました。 彼は一冊の聖書を手に持っておられました。 彼は、どのような聖書を持っておられたでしょうか? それは、キング・ジェームズ版の聖書でした。 イエス様が手に持っておられたこの"天国の選びの聖書"は、旧約聖書はマソラ本文から、新約聖書はTextus Receptus(TR)から英語に翻訳された聖書です。
神の御子イエス・キリストご自身が、マソラ本文による旧約聖書、およびTRによる新約聖書こそが、『ご自分の本当の聖書』であることを示されました。 神は、「ご自分の摂理によって保持してこられた新約聖書本文がTRである」ことを『認証』されたのです。 (→ 歴史E 認証された聖書参照) |
●さらに深い理解のために(英語)… ■The King James Version Defended 第八章 2h,j,k(エドワード・F・ヒルズ博士著) ■The history of naturalistic textual criticism(自然主義の聖書本文批評学の歴史) ■《さらに深く学ぶためのリンク集》 |
→次へ D-1(歴史D 旧約聖書の歴史) 《聖書の歴史_目次》 |
●歴史CX 《神の摂理とTR》
1 聖書に対する二つの手法 2 現代主義の始まり…聖書の奇跡の否定 3 自然主義的本文批評を広めた人々 4 神の啓示が出発点です!! 5 『聖書を信じる学び』の3原則 6 一貫性のあるクリスチャンの『手法』 7 古代聖書と神の摂理 8 TRについての三つの見解 9 新約聖書本文の保持と『共通の信仰』 10 神に用いられたエラスムス 11 TRと伝統的本文の相違箇所 12 神の摂理を心に留めない批判者たち 13 神の摂理の継続・神が認証されたTR |
●歴史D 旧約聖書の歴史
1 旧約聖書の正典と保持 2 旧約聖書の真の本文…マソラ本文 3 マソラ本文_問題視されたことのない基準本文
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聖書の歴史V 偽造写本から"ねつ造"された |
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