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ここで述べようとしていることは、おそらく、とてつもなく長い聖書偽造の歴史の中で、最大かつ最も深刻なスキャンダルの一つです。 それは、私たちがただ驚くことしかできないような、だまそうとする露骨な試みです。 驚きの第一は、その計画のこの上ない大胆さと、それによって世界が、臆することなく進んでだまされてきたことです。 そして驚きの第二は、保守派の学者たちがこの問題にチャレンジしたり議論することを、拒みはしないとしても、躊躇してきたことです。 それは、暗い隅に隠されてきて、研究のために利用できなかったというようなことではありません。 しかも、それは、ティッシェンドルフ自身がシナイ写本とバチカン写本の両者の特徴として三度も注意を向けさせたことでした! それなのに、それは、リベラル派にも保守派にも、ないがしろにされているのです。 |
●同じ筆記者によって書かれたページ このスキャンダルの本質は、こうです。 シナイ写本とバチカン写本の両者の中でマルコ16・9〜20が脱落しているページは、どちらの写本でも、同じ筆記者によって書かれたのです! その筆跡も、つづり字の特異性も、同一なのです。 このことに関して、聖書学者ジェームズ・レンデル・ハリス氏は、1893年の著作でこう述べています。
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●同じ時に同じ所で同じ筆記者によって作られた二写本 同書の pp.71~89に、レンデル・ハリス氏は、『シナイ写本とバチカン写本の共同起源について』という補遺(付録 )を付けています。 それは彼が1893年6月6日にマンスフィールド大学(イギリス・オックスフォード)で講演したものです。 その講演で、彼は、こう結論付けました。
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●これまで告げられてきた偽りの主張 これは、まさに、ものすごく重要なことです。 これまでの約百五十年間、一般の人々に告げられてきたのは、こういうことでした。
主張されてきたのは、こういうことです。
そう主張されているのです。 ところが、シナイ写本およびバチカン写本の中で、それらの節(マルコ16・9〜20)が省かれている両者のページが、同じ一人の人物の筆跡で書かれたことについては、一言も言われていません。 すなわち、同じ人物が、シナイ写本とバチカン写本の両者に『削除』を施したことです。 ティッシェンドルフ自身がそのことを一度ならず三度も指摘した時以降、批評家らはずっとこの事実を知ってきたにもかかわらず、一言も言われていないのです! この箇所で何が起きているのでしょうか? |
●偽造の扇動者・実行者 シナイ写本とバチカン写本の両方の本文中に偽造物を挿入させたのは、間違いなくマイ枢機卿(1782年〜1854年 イエズス会士)の扇動によることであったはずです。 彼は、『バチカン写本』のファクシミリ版を登場させる担当者でした(発行年は彼の死後の1857年)。 ただし、実際にだれがその書き換えを行ったかは、現時点では私たちにはわかりません。 その実行者はティッシェンドルフではなかった、と私は思います。 なぜなら、彼は、その二つの写本のそれらのページが同じ筆跡によるものであることを知って驚いた、と発言したからです。 もし彼がその偽造行為者であったなら、決してその事実に注意を向けなかったはずです。 たぶん私たちは、この地上では決して知ることはないでしょう。 しかし、この証拠によって確かにわかるのは、この差し替え行為によって世界が大いにだまされてきたことです。 この『だまし』を扇動して偽造したのがだれであれ、彼らは非常に安全な状況にいたはずです。 (この書き換えは→1857年以前に行われました。→「19世紀半ばに行われたバチカン写本の書き換え」参照) |
●偽造者らの失態 この陰謀者らが、「偽造は決して探知されず、同じ人物の手が両者を作り出したことは、決して気付かれないだろう」と考えていたのは、思慮に欠けることでした。 ティッシェンドルフがすぐにこのことに気付きました。 そして彼は、この事実を三度も本に記しました。 彼は、自分がだまされていたと気付かなかったでしょうか? 彼は、自らの読者たちに、「二写本のマルコ16・9〜20のページは、共通の源に由来する」ということを、どう説明したらよかったのでしょう? 当然、彼のすべき唯一のことは、「シナイ写本もバチカン写本も、同じ写字室で、同じ筆記者によって作り出されたものであった」と説明することでした。 それは、二つの写本がいずれも同じ時期に書かれたにちがいないことを意味します。… ティッシェンドルフはそういうすべてのことを知っていたはずです。 私たちは、「彼は、今や自分が目にしたものを、無理にでも何とか正当化した」としか想像できません。 同じ『筆記者』にシナイ写本とバチカン写本の両者のページを書かせたことは、まさに不器用な失態でした。 ただし、それはシナイ写本のそれらのページだけのことではありません。 シナイ写本の偽造者や改ざん者らは、彼らの作業のきわめて単純な『不整合』や明らかな『異常』も見落としていました。 手短に言えば、彼らは作業を急いでいたように見えます。 そのことは、この写本の多くの箇所で明らかなのです。 (以上は、ビル・クーパー師の著書からの抜粋です)
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●二写本を書いたのは? これまでのことをまとめると、こうなります。
19世紀の人物であるこの二人が、現代版『新約聖書』の土台となっている二写本を実際に書いたのです。 裏返して言えば、現代版『新約聖書』の読者は、ほぼ実質的に、 その詳細を、次のページで見ることにします。 |
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聖書の歴史V 偽造写本から"ねつ造"された |
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聖書の歴史W 信仰破壊システム 【1】全くちがう二種類の聖書 |
聖書の歴史W 信仰破壊システム 【2】日本語聖書の改ざん箇所 |
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